シニア向けDMの作法を理解し、デザインに物語をつくる。
主にスキンケア用品や、シニア向け健康器具の通販DMの制作を担当しています。シニア向けDMはユニバーサルデザインフォントを使うのはもちろん、視認性を考慮して文字の大きさ、配色、色の組み合わせに注意しています。デザインについては、尖りすぎていると「自分（＝シニア）向け」という認識になりにくいため、いつも見慣れている世界観を意識して制作しています。CRMのDMなのでクリエイティブのABテストや効果測定を行い、反響や結果がはっきりしているので面白いです。日頃からシニア向けの本や健康に関する本も読み、シニア向けツール特有のセオリーや作法を理解するようにしています。制作する際は「時間」や「空気感」を重視し、デザインに奥行きや物語をつくるようにしています。DMデザインは平面ではありますが、時間の経過や動きを感じさせることが大切だと思います。
着物生地をリメイクして、古くて新しいものを生み出す。
新しい物よりも古い物が好きで、時間が経過して少し自然に還っているような朽ちた物に魅力を感じます。洋裁が趣味ですが、最近は骨董市で着物を一着購入して生地を一度バラバラにし、リメイクして洋服を仕立てたり、巾着などの小物を作ったりしています。生地選びや図柄をどう活かすかなど、使われなくなった物に再び魂を宿すような不思議な魅力があります。時間の経過や独特の風合いは新品の生地では表現できず、新しく生まれたのにずっとそこにあったかのような馴染みのある存在感も魅力の一つです。これまで多くの着物柄を見てきているので、そのモチーフや雰囲気をデザインのエレメントとして使うこともあります。通販DMはコスト面からB3、A3など定型サイズが多いのですが、紙の選定にこだわり、型抜き加工のアイデアなどを組み合わせて、印刷物の新しい可能性を追求していきたいと考えています。
